【認知症】抗精神病薬による突然死・認知症増悪に注意!!



キクマ
こんにちは!!
パパ業奮闘中の現役理学療法士のキクマです!!

認知症の周辺症状(BPSD)に対して、抗精神病薬を使用していると様々な危険があります。

認知症や介護にたずさわっている方は、この抗精神病薬を使用するリスクについて知っておく必要があります。

 

今回の記事では抗精神病薬のリスクに関して、私が出会った事例もふまえて分かりやすく説明します!!

周辺症状(BPSD)への対応の実態

 

在宅、グループホーム、介護施設や医療機関において、認知症患者のBPSDへの対応として向精神薬が濫用されている現状があります。

主に使用される向精神薬
・抗精神病薬(神経遮断薬)

・抗うつ薬  ・抗不安薬  ・気分安定薬  ・睡眠導入薬

 

向精神薬の多用により、認知機能低下のリスクがあることが以前より指摘されています。

向精神薬により認知機能が低下した状態は『つくられた認知症』と呼ばれています。

 

その中でも抗精神病薬神経遮断薬とも呼ばれ、それ以外の向精神薬よりも強力で副作用が大きく、危険と隣り合わせです。

抗精神病薬による『突然死』に注意

 

抗精神病薬には、突然死を含む大きなリスクがいくつかあります。

米国食品医薬品局(FDA)より、高齢者のBPSDに対する抗精神病薬使用は非常に危険であるとの勧告があります。

処方箋医薬品のリスクについてラベルに記載される警告文(Black Box Warning)
・突然死

・誤嚥性肺炎の併発

・致死的な副作用が起こる確率が高い

 

キクマ
これらのリスクを知らないまま『BPSDによって周りが困るから』という理由で使用している方も、いまだに多くみられます!!

抗精神病薬による『認知症増悪』に注意

抗精神病薬は認知症の増悪を引き起こします。

それは『大脳皮質』『大脳辺縁系』両方の機能を抑えてしまからです

大脳皮質の機能
運動機能・感覚機能・言語・思考など様々なものをつかさどっている

→機能が低下すると認知症の中核症状が増悪する

大脳辺縁系の機能
情動の表出、食欲、性欲、睡眠欲、意欲、喜怒哀楽などの『人間の本能的な部分』をつかさどっている

→機能が低下すると嬉しい・楽しいなどの感情も生じづらくなる

 

認知症の方は大脳皮質の機能が低下していても、大脳辺縁系の機能は残っている方が多いです。

つまり、数分前のことを覚えていられないような方でも『苦痛だ・楽しい・この人は嫌だ・これがやりたい』などの情動は残っているということです。

それどころか『嫌だ・楽しい・嬉しい』などの情動機能は、健常者よりも感じやすいと言われています。

 

抗精神病薬大脳皮質の機能を抑えて認知機能を低下させるだけでなく、大脳辺縁系の機能である『情動機能』も低下させてしまうことで、更に脳機能の低下を加速させてしまいます

抗精神病薬を含む向精神薬によって、認知機能が低下した事例

【事例1】

80代女性

私の勤務している施設の通所リハビリを利用している方でした。ある日、物忘れが増えたと家族より相談があったため、認知症専門病院の受診を促しました。

その方は抗精神病薬を含む向精神薬を1日7錠飲んでいましたが、それらの服用を一旦やめるよう医師から言われました。

1ヶ月後には認知機能検査(MMSE)の値が18点 → 28点と健常者の値となり、物忘れもなくなりました。

 

【事例2】

60代女性

私の勤務している施設に入所されていました。物盗られ妄想徘徊などを認めており、抗精神病薬を含む向精神薬を1日8錠飲んでいました。

感情の表出も少なくなり物忘れも多くなったため、認知機能検査(MMSE)を行ったところ16点と認知機能の低下を認めたので病院の受診を促しました。

この方も医師より、向精神薬の服用を中止するように言われました。

向精神薬を服用しなくなって1ヶ月半後には、認知機能検査(MMSE)の値が27点と健常者の値となり、認めていたBPSDもなくなりました

キクマ
これらの事例のように、抗精神病薬を含む向精神薬を服用したことによって認知機能が低下してしまっているケース珍しくありません!

抗精神病薬の注意点(まとめ)

抗精神病薬には、突然死を含む大きなリスクがあります。

それに加えて大脳皮質と大脳辺縁系の機能抑えてしまうため、認知症が増悪するリスクもあります。

抗精神病薬のリスク(Black Box Warning)
・突然死

・誤嚥性肺炎の併発

・致死的な副作用が起こる確率が高い

抗精神病薬による認知症増悪

【大脳皮質機能の低下】
機能が低下すると認知症の中核症状が増悪する

【大脳辺縁系の機能の低下】
情動の表出、食欲、意欲、喜怒哀楽などの『人間の本能的な部分』が低下し、認知症の中核症状増悪を加速させる

薬を処方するのは医師ですが、認知症の方に対しての処方を依頼するのは介護者です。

本当にその薬が必要かどうか、他に出来る対応方法はないかを冷静に考えた上で医師に相談するようにしましょう!!

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宮城県在住の理学療法士『キクマ』です! このブログでは『高齢者福祉に従事している方』『ご家族の介護をしている方』に向けて、理学療法士として学んだことや経験したことを分かりやすく発信しています。 このブログにより、大切な人の健康を支える手助けができたら幸いです。