こんにちは!『人前で話す時、堂々と話しているように見えて手が震える』キクマです!!
認知症ケア技術であるユマニチュードでは、ケアをするときには『見る』『話す』『触れる』『立つ』の4つの柱を用います。
今回は『4つの柱』の中でも、間違った方法をしてしまいがちな『話す』について分かりやすく説明します!!
『話し方』で気をつけるべき3つのこと

話をする時、相手は言葉以外のメッセージもたくさん受け取っています。
認知症の方と話をする際、聞こえていないと思って必要以上に大きな声で話してしまったり、理解出来ていないと思って論理的に話してしまったりすると不快な思いをさせてしまいます。
不快な思いをさせずに『大切に思っています』というメッセージを届ける為に、下の3つのことに注意して話をしましょう。
① 低めの声で話す
② 穏やかに優しく話す
③ 前向きな言葉を使う
人はイライラすると声が高くなり、大きな声で話してしまうことが多いです。
低い声で穏やかに話をすることで『怒っていませんよ』『落ち着いた気持ちで話していますよ』というメッセージが伝わります。
また、ついつい言葉にしてしまいがちな『ちょっと待っていてください』『座っていてください』などの言葉は、『私がやりたいことを受け入れてください』というメッセージが伝わってしまう可能性があります。
そのような時は『待っててくれてありがとう、助かります』など前向きな言葉に置き換えて伝えるようにするように心がけましょう。
途切れなく話すことも大切

認知症の方と話をしても、理解されなかったり、返事がなかったりして会話がなくなってしまうことがありませんか??
相手に理解されない、返事がないという状態が続いて話さなくなるというのは自然な反応かと思います。
しかし、『無言』というのは『自分は存在していない』と感じさせてしまう可能性がある為、途切れなく話すことも大切なのです。
普段の『3倍話す』
『あなたは存在していますよ』
『あなたを大切に思っていますよ』
という気持ちが届くように、普段の3倍話すことを心掛けましょう。
返事もないのに3倍話すのは難しいと思われる方は、『自分が行なっていること』『相手の細かな変化』を言葉にすると途切れなく話すことが出来ます。
・体を拭きますね
・手を持ち上げますね
・ズボンを下げますね など
・笑ってくれてありがとう
・リラックスして力が抜けてますね
・目が開きましたね など
『認知症』+『難聴』の方とのコミュニケーション

耳が遠い方と話をする時、耳元で大きな声で話した経験はありませんか??
耳が遠い人にはあえて低めの声で、耳元でゆっくり話すと聞き取りやすくなります。
しかし認知症もお持ちであれば、耳元で声をかけても正面の視野に入れていない為、『周りに誰かがいる』ということすら認識されない場合もあります。
そのような『認知症』+『難聴』の方とコミュニケーションをとるときは、耳元で話したら本人の正面に体を移動させ、目を合わせるようにしましょう。
この一連の動きは
『話す』技術として低めの声で話す
『見る』技術として正面の狭い視野に入る
という複数のコミュニケーション技術を用いています。
このように複数のコミュニケーション技術を同時に使うことを『マルチモーダル・コミュニケーション』と言います。
マルチモーダル・コミュニケーションを上手に用いることで『周りに誰かがいて、大切にしてくれている』というメッセージを届けることが出来ます。
まとめ
今回は、ユマニチュードの4つの柱の一つである『話す』に着目して説明させていただきました。
認知症の方と関わる際に、あまり良い関係が築けないとお悩みの方は、記事で紹介したことを一つ一つ意識して実践してみてください。
皆さんが、大切な方とより良い関係が築けたら嬉しく思います。
◆ 低めの声で話す
◆ 穏やかに優しく話す
◆ 前向きな言葉を使う
◆ 途切れなく話す
◆ マルチモーダル・コミュニケーションを用いる
コメントを残す