杖を使う目的を『転ばないため』にしてはいけない



こんにちは!『安全で元気に歩いて欲しい部』部長のキクマです!!

今回は、杖を使用するメリットとデメリットについて分かりやすくお話します!!


なぜ、杖を使うと安全に歩けるの??


◆怪我をしたから一時的に使う
◆膝に痛みがあるから痛みを和らげる為に使う
◆杖を使って歩いた方が疲れないから使う

など杖を使い始めるきっかけは人それぞれかと思います。

その中でも、『歩いているとフラフラして転びそうだから使う』という方が一番多いのではないでしょうか。

では、杖を使うとなぜ安全に歩けるのでしょうか??

その大きな要因の一つは『支持基底面の拡大』です。


『支持基底面』って何??


『支持基底面』とは赤枠で囲まれた部分で、両足で立っている時に、左右の足とその間の領域のことです。

この支持基底面の中に重心がある時、人は安定して立っていることが出来ますが、支持基底面の外に重心があると、バランスが崩れて倒れてしまいます。

人は歩行する時、この支持基底面と重心の位置を無意識に調整しながらバランスをとって歩いているのです。


杖によって『支持基底面』を拡大する

杖を使うと、両足の2点で支えていた体を3点で支える形となります。

3点で支えられるようになると、上の図の通り『支持基底面(赤枠)』が拡大します。

支持基底面が拡大する事により、重心をうまくコントロール出来ずにふらついたとしても、バランスを崩す事なく歩行出来るようになるのです。


杖を使う目的を『転ばないため』にしてはいけない


杖を使っている方に『何のために杖を使っていますか?』と聞くと『転ばないため』という答えが返ってくる事が非常に多いです。

もちろん正しい答えではありますが、この『転ばないため』という目的を気にしすぎると良くない面もあります。それは『転ばないため』に歩く機会を減らしてしまったり、外出を避けるようになったりと日常生活が活動的ではなくなり、心身機能の低下を招くという事です。

<歩く機会が減ることで起こる身体機能の低下>

◆歩行時に使用する筋肉を使う機会が減る為、主に足やお腹、背中まわりの筋力が低下します。

◆長時間体を動かす為の筋持久力が低下します。

◆体重を支える機会が少なくなると足首や膝・股関節、脊椎などの動きが悪くなり、固くなってしまいまいます(拘縮)。

◆心臓や肺に負荷がかかる機会が少なくなり、心肺機能が低下します。

◆外に出歩く機会が減ると脳への刺激も少なくなる為、意欲が減ったり、認知症が進みやすくなります。

このように『転ばないため』に使い始めた杖によって心身機能が低下してしまい、今まで以上に転びやすい体になってしまう方も少なくありません。


杖を使う目的は『たくさん歩いて元気でいること』


先程説明した通り『転ばないため』という目的を気にしすぎてしまい、歩く機会が減ってしまうと、様々な心身機能の低下を招きます。

杖がないとフラフラして歩けないけど、杖を使えば大丈夫!という方は、是非たくさん歩いて下さい。

『転ばないこと』もとても大切な事ですが、杖を使う一番の目的は『たくさん歩いて元気でいること』だと私は思います。

自分に合った杖を使って、安全にたくさん歩いて、元気に過ごせる方が増える事を心より祈っています。

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宮城県在住の理学療法士『キクマ』です! このブログでは『高齢者福祉に従事している方』『ご家族の介護をしている方』に向けて、理学療法士として学んだことや経験したことを分かりやすく発信しています。 このブログにより、大切な人の健康を支える手助けができたら幸いです。